アフリカ・レポート

hoさんから貰った本。

アフリカ・レポート―壊れる国、生きる人々 (岩波新書)

アフリカ・レポート―壊れる国、生きる人々 (岩波新書)

アフリカでは国単位よりも部族の利益を優先する政治家が多いので、国の金を部族(やゲリラなどの支持集団)に分配するのが当然のように行われ政治も経済もボロボロになってるんだけど、外国がそのことを指摘すると、指導者や官僚は「レイシズムだ」と言い返せばそれで済むと思ってるらしい。自分の部族以外は全部敵なので、そいつらの金を引っ張ってくるのが良いボスとして見られるみたい。独裁政権を打倒した闘士も、独裁政権という共通の敵があるうちはまとまっていても、敵が倒れたら昔のように部族単位に分かれてバラバラ。そもそも部族とか関係無しに白人が国境線を引いちゃったから、国をまとめようという意識がないし。この辺、明治維新後、清が蚕食されてるのを見て明日は我が身と思い富国強兵に走った日本とは大違い。
治安が悪化してるのに警官が増員されない南アフリカの例や、農作物を輸出し豊かだったのに10年でハイパーインフレに陥ったジンバブエの例が紹介されてました。
モラルが崩壊というか失われたので、中間搾取が横行して学校の教師や会社員の給与が遅配/欠配するのも日常茶飯事らしい(どこかで誰かが勝手に抜いてるのです)。
それでもって経済が回っていない国に中国人が入り込んできていて、持ち前の商才と相互扶助と華僑ネットワークを駆使して現地の富を吸い上げて行ってるとか。一旗揚げようとして借金してアフリカに来た、若い中国人夫妻の経営するお店に賊が侵入し、(税金を取られたくないのでタンス預金してた)売り上げを根こそぎ奪われ、ついでに奥さんが殺される話など涙を禁じ得ない。
いやー、アフリカ無茶苦茶ですな。