帰り道

帰り道。
歩いていると、後ろの方から若い女性二人連れの会話が聞こえてきた。

「ねえねえ、さっきの店の中に“おぼっちゃまくん”にそっくりな人がいるよ!キャハハハ」
「え、何?」
「ホントそっくり!戻って見に行こうよwwww」
「??」

歩道沿いの飲食店に“おぼっちゃまくん”【誰】そっくりな人がいるらしい。
一方はひどく笑い転げていて、もう一人に対し戻ってまで(飲食店内の)その人を見よう、戻ってでも見よう、と言ってるみたいだ。
人の顔を見て笑いものにすると言うのは、どうか。いやしかし、箸が転げてもおかしい年頃といった言葉もあるしなあ・・・等と思っていると、突然、

ガッシャーン

とガラスが割れるような音が。
振り返ると、先ほどの二人連れが押していた自転車が、店頭にディスプレイしてある日本酒だか洋酒の瓶に後ろから突っ込んでいて、何かをぶち割っている様子。慌てた感じで厨房の女性コックさんが飛び出してくるのが見えた。
後ろを見ないでバックしたのだろうか。