知事のブログが大変なことに

 東京都知事の政策について活発な議論が交わされる事がよくあるが、神奈川県知事もその点は負けていないようだ。

 ●神奈川県知事・松崎成文のブログ(2005年7月20日
 http://matsuzawa.cocolog-nifty.com/blog/2005/07/post_81b1.html

 この記事を書き込む時点で、上記記事のコメントが1000を超えている。いわゆる「祭り」である。
 青少年保護育成条例で対象となるゲームソフトを有害指定し、18歳未満への販売を禁止しようとしているのが事の発端だ。
 知事の元記事を見てみると、規制の必要性の根拠について曖昧な主張が気になる。

次に、青少年への悪影響の証明が必要ではないかとのご意見です。これまでも、ゲームソフトによるプレイを長時間行うことが、子どもの脳などに少なからぬ影響を与えることについて、いくつかの調査結果があるものの、残虐性の高いゲームが犯罪を誘発するかどうかの科学的証明は、まだ行われていないことは事実です。しかし、先日の東京で発生した両親殺害事件で、加害少年が今回指定したゲームソフトの愛好者であったという報道もあります。

そして、子どもの人格形成においては、単に知識を習得するだけではなく、成長過程で接する自然、文化などの外部環境から様々な影響を受けるものです。特に、感受性の鋭い青少年が、大人よりも社会環境の影響を受けやすいことは社会の共通認識でもあります。青少年の健全な育成を阻害するおそれのある有害な社会環境を排除していくことは、大人社会の責任であり、行政としての責任でもあると考えています。
(出典:http://matsuzawa.cocolog-nifty.com/blog/2005/07/post_58fd.html

まとめると、

  • 子供がゲームを長時間行う事が脳に影響があるという調査結果がある
  • 残虐性の高いゲームが犯罪を誘発するかどうかの科学的証明は無い
  • しかし東京で発生した両親殺害事件の容疑者は有害ゲームの愛好者だった
  • →従って、青少年の健全な育成を阻害するおそれのある有害な社会環境を排除すべき

 という論理になっている。こういった主張は別段珍しくないので、この主張をした個人は特別に批判されるべきではないと思う。しかしここに抜き出した4行は論理的といえるのだろうか(抽出の仕方が間違っているかもしれないが(汗))。

 騒動のまとめが毎日新聞によくまとまっていた。

●ソフト規制:松沢・神奈川県知事のブログに批判殺到
http://www.mainichi-msn.co.jp/today/archive/news/2005/07/23/20050723k0000e040076000c.html
●【社会】"ゲーム愛好家、憤慨" ゲーム有害指定で、神奈川県知事のブログに批判殺到
http://news19.2ch.net/test/read.cgi/newsplus/1122144649/1/

 “「近年、体育会系学生の犯罪が多い。スポーツ教育も見直さなければ公平性に欠ける」などとゲーム規制に関連付けて批判されている。”という記事の部分が面白かった。そうじゃないだろ。


 ふと、青少年に悪影響を及ぼす「有害知事類指定」というのをしてはどうかと思った。埼玉県知事の土屋義彦とか。あー、でも この人はもう辞任しちゃったんだからどうでもいいのか。悪影響を及ぼすのは在任中だよね。